パーソナリティ障害とは

パーソナリティ障害(人格障害)とは、その人の考え方や感じ方、行動のパターンが社会的な「普通」と大きく異なることで、生活や人間関係に支障が出ている状態をいいます。

自分自身が生きづらさを感じるだけでなく、周囲の人が対応に困ってしまうこともあります。
多くは思春期から青年期の早い段階で症状がみられ、うつ病・不安障害・依存症などを併発しやすい傾向があります。

そのため、日常生活や人間関係に明らかな支障がある場合は、専門的な治療や支援が必要です。

パーソナリティ障害のタイプ

パーソナリティ障害は、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM)に基づき、大きく3つのグループ(A群・B群・C群)に分類されます。

それぞれの特徴を以下に紹介します。

【A群】疑い深くて風変りとされるタイプ

妄想性パーソナリティ障害
他人への不信感が強く、「だまされるのではないか」「悪意があるのでは」と疑いやすい傾向があります。
シゾイドパーソナリティ障害
感情表現が少なく、人との関係を避ける傾向があります。
一人で過ごすことを好み、他者への関心が薄いのが特徴です。
統合失調型パーソナリティ障害
他人から見ると風変わりな思考や行動がみられます。
感情の起伏が乏しく、独自の世界観を持つ傾向があります。

【B群】移り気で衝動的とされるタイプ

反社会性パーソナリティ障害
社会のルールを守れない、他人の権利を軽視する、責任感が乏しいといった特徴があります。
罪悪感を持ちにくく、トラブルを繰り返すこともあります。
演技性パーソナリティ障害
周囲の注目を集めたいという思いが強く、感情表現が大げさになる傾向があります。
境界性パーソナリティ障害
感情のコントロールが難しく、他者への依存や衝動的な行動が見られます。
強い不安や孤独感から、自傷行為に至ることもあります。
女性に多いタイプです。
自己愛性パーソナリティ障害
自分に対して過剰な自信や優越感を持ち、他人から賞賛されたいという欲求が強い一方で、
他人への共感が乏しい傾向があります。

【C群】不安が強くて臆病とされるタイプ

回避性パーソナリティ障害
人と親しくなりたい気持ちはあるものの、拒絶や批判を恐れるあまり、関係を避けてしまいます。
依存性パーソナリティ障害
自分で判断することが苦手で、常に他人に頼ってしまう傾向があります。
不安感が強く、他人に見放されることを極度に恐れます。
強迫性パーソナリティ障害
完璧主義で几帳面な性格が特徴です。
柔軟な対応が苦手で、他人にも完璧さを求めてしまうため、人間関係のトラブルが起きやすくなります。

パーソナリティ障害は「性格の問題」ではありません

パーソナリティ障害は、「性格が悪い」「わがまま」といった単なる性格の問題ではなく、脳の特性や心の発達の仕方に関係する医療的な問題です。

本人も生きづらさを感じており、適切な治療や支援によって、少しずつ安定した生活を取り戻すことができます。

治療について

治療は、主に精神療法(心理療法)が中心となります。
患者さんが自分の思考や行動の傾向を理解し、人間関係やストレスへの対応方法を少しずつ身につけていくことを目指します。

必要に応じて、気分の落ち込みや不安が強い場合には、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法を併用することもあります。